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石牧建築 + ONE vol.2

vol.1に引き続き、浜松市天竜区春野町の自社工場イルボスコにて、石牧と大工の合田が大阪の栗専門の材木屋さん橘商店の橘明夫社長をお招きして、木材業界のこと、名栗のことなどお話を伺いました。
プロットなし。思い思いにそれぞれが語るフリースタイルの座談会は、大好きな木の話へ。

橘商店さんは栗専門の材木屋さんですが、銘木市場で栗以外の広葉樹も買い付けをし、材木屋さんや設計事務所、工務店などに販売しています。実際、石牧建築も橘商店さんを通して、様々な広葉樹を仕入れ、イルボスコにてストックし、ここぞというタイミングで使っています。
vol.1では他の二人に圧倒されて、なかなか口を挟めなかった若手大工の合田に、橘社長からの質問です。

橘社長 :ちょっと聞きたいねんけど、杉・ヒノキ以外にさ、なんか使ってみたい材料とかってある?

合田  :広葉樹はやっぱり扱ってみたいと思います。

橘社長 :ほな、好きな広葉樹ってなに?

合田  :センダンとか

橘社長 :またマニアックなとこ来たなぁ(笑)

合田  :結構木目がかっこいいので

橘社長 :そういうの面白いなぁ。だって、センダンってあんまり流通してないけど、出てるのは出てるから。そしたら、今後市場行ったときセンダンあったら買うとくから。で、石牧くんに「センダン、親方買うときいや」って。

石牧  :あぁ、センダンは確かにね。柔らかくて、軽くて、だけどなんとなく堅そうな雰囲気あっていいよね。

橘社長 :で、他には?

合田  :うーん、、、黒柿とか

橘社長 :黒柿かぁ。なかなか、、、そういうのこそほんまにエッセンスとしてはすごいいいと思うよ。でも、それは結構お値段もするから、ほんまに難しいけど。

石牧  :設計のデザイン力も相当大事になってくるよね。

合田  :癖ありますからね(笑)

橘社長 :じゃあさ、ケヤキ、どう?

合田  :ケヤキいいと思います!加工もしやすいし

石牧  :それに木目もきれいだよね。

橘社長 :ケヤキって結構個体差があると思うねん。色も違ってたり、木目も違うのが、それこそ玉杢もあれば普通の目粗いのとかもあるし。銘木市場行ったら、やっぱりケヤキはメインというか、多なるわりには人気がないんだよね。ほんま言うと僕は銘木屋じゃないけども、銘木市場行ってる人間がうまいこと提案して使えるようになったら、もうちょっと木材業界も良くなるんじゃないかなって思う。

石牧  :ケヤキは色があるじゃん。僕は挿し色としてケヤキ使うの好きなんだよね。

橘社長 :栗屋が言うのもなんやけど、トチも栗もケヤキもほんまにええなっていうもんは少なくはなってるけど、ケヤキはまだ比較的いろいろと出ている方だと思うから、その辺をうまく使えたらって。あのね、「腐っても鯛」ってよく言うけど、腐ってもケヤキやねんて。一時、トチがテーブル材として人気が出たんやけど、銘木屋のおっちゃんらは「言うてもトチや。やっぱりケヤキが一番や」って言うから。
トチって青(カビ)入りやすかったり、なんか難点があるけど、ケヤキはそういうのがないから、扱いやすいというんか

石牧  :そうだね。扱いやすいよね。加工もしやすいしね。みんな堅い堅い言うけど、まあブビンガに比べたら全然だよね(笑)

橘社長 :まあ、ホンマの目めっちゃ粗いやつは、めっちゃ堅いけど、小マシなやつを買うてたら大丈夫やと思うから。

石牧  :割り返してもケヤキはそんなに暴れないしね。

橘社長 :石牧建築がケヤキ使うとか言うてくれたら、俺ももうちょっと頑張ってケヤキ買いに行くけどな。

石牧  :僕は赤い挿し色が好きだから、チェリーだったりとかブビンガだったりとかよく使うじゃん。ケヤキも赤いからね。

橘社長 :ケヤキでねじれた柱ができたらかっこいいやんな

石牧  :かっこいいっすよね。しかも、「これ何の木ですか?」って聞かれたときに「ケヤキですよ」って答えたら「ああ、高級材!」ってなるもんね

橘社長 :そう。ちょっと知ってる人だったら「ケヤキ=高級材」ってイメージがあって、「ケヤキですか?高いんですよね?」みたいに言うやんか。

石牧  :まあでも、ケヤキって木は素材的に使い方が上手じゃないと、和寄りに引っ張られちゃうから

橘社長 :そうそう。だから、そこはやっぱり、石牧建築やしましま先生がかっこよく料理したらイケると思うけどね。

石牧  :最近、山棟風居の敷台に使ったの。あの木はまためちゃめちゃいいケヤキで、ヒノキの中にそこだけケヤキで赤くしたんすけど、結構かっこくなったなって。

合田  :かっこよかったすね。

石牧  :ケヤキは使い易いかも知らんね

橘社長 :それこそ、ケヤキ斫ったりしたら、またかっこいいと思うよ

合田  :あ、かっこいいと思います!

橘社長 :ちょっと小マシな六角とか八角とかの柱とかでもしできたら、ワンポイントですごくかっこいいような気がする。そうそう。柱をワンアクセントっていうのはいいような気がするなぁ。

橘社長 :基本は絶対そうやと思うけど、浜松でやるんやから浜松の材料を使うのが一番いいと思うから。もちろん、天竜の杉、ヒノキを使ってるやんか。それプラス、エッセンスとして広葉樹とか名栗とかがその住宅に加わって、ちょっといいよねっていう風になれるのが一番いいんちゃうんかな?やっぱりなるべく近いところの材料を、トレーサビリティやったっけ?それもいいやん。

石牧  :僕たちはそこしか見てなかったから。何があっても地元の材を使うってずっとやって来たけど、そこにそのエッセンスが加わると全然変わってくるしね。

橘社長 :そう。そこに言うたら日本の広葉樹が加わるとね。でも、例えば色合いがちょっと違うなってなったら、そこはブビンガやカリンを使うのも有りやと思う。

石牧  :ま、何にしろ本物を使うのがね。

橘社長 :そうそう。本物使うのがいいから。やっぱり家にいて過ごしやすいというか、なんかいい気分で一日を過ごせるような心地いい家に住めたらいいと思うから。やっぱり、木の家がいいと思いますね。本物の木の家に住んでる方が、自然のものに囲まれた家の方がいいんちゃうの?

石牧  :そうですね。本物を使うっていうのは、実はなかなか大変だけどね。でも、その価値が分かる人にはやっぱり使いたいね。木目調のシート貼った家とかじゃなくね。

橘社長 :そやなぁ、木目がいいんだったら、やっぱり木を使ってる方がいいと思うけどね。

――次回はいよいよ最終章。合田が今一番夢中になっている名栗について橘社長にお話を伺います。