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温熱のあれこれ ~断熱性能について~

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温熱のあれこれ ~断熱性能について~

高気密高断熱を掲げているところも多いですが、実際のところどんな性能でやっているのでしょう。

弊社の温熱の考え方について、まとめてみました。


このグラフは横軸に築年数、縦軸に建築コスト。実際の弊社の住宅で各温熱性能を計算し、その費用とエネルギー消費量を計算。
そして、そのエネルギー消費量を金額に変換し築年数でどうなるかを表しています。

誰もが、家を検討する時に安心で、『夏涼しく、冬温かい』住まいを求めているかと思います。施工者側としても当たり前とすべきである性能の一つでしょう。

ですので、『長期の基準でやってます。』『ZEH基準でやってます。』『浜松は温暖な地域だから問題ないでしょ。』『〇〇相当でやってます。』といろんな位置づけをできると思います。

さらに極端な事言えば、『断熱問題ないでしょ』や、『〇〇相当でやってます』の会社との家づくりは考え直していただいた方がいいでしょう。

もっと言えば、『長期の基準』や『ZEHの基準』と言っているのになぜそうしているのか?考えていきたいと思います。

図のH28年基準(長期優良住宅の温熱性能最低基準)になります。
20年も前の基準(H11年度次世代省エネ基準)とほぼ変わらない性能。

静岡県地域ではUA値:0.87と言われています。

またその上の基準としてZEHレベルの基準UA値:0.57(HEAT20 G1グレード)

さらにその上の基準として現在の日本の最高基準であるUA値:0.46(HEAT20 G2グレード)
※石牧建築の標準性能

2020年に省エネ基準適合義務化がされる予定でしたが見送られました。
移行期間があったのですが、実際に対応が間に合わない事業者が多かったのが理由と言われています。
※そのような事業者が多い実感はありませんが…。

ですので、H28年基準を最低レベルとして図しています。
住まいを検討している方は、まずここが最低ラインとして見ていきましょう。



赤いラインがH28年基準。温熱における建築コストは一番かからないが、ランニングコストを示す勾配が一番急になっています。
黄色のラインがG1グレード基準で、断熱コストを少しかければ、ランニングコストを示す線がだいぶ緩やかになります。
緑色のラインがG2グレード基準。G1グレードからもう少しコストかけると、だいぶランニングコストを示す線がだいぶ緩やかになってます。

そして、グラフの上部の矢印が示している部分で赤い線と黄色の線が交わります。この建物では約8年目の頃になりました。
ここまでしか住まない住宅であれば、H28年基準のトータルコストが最安値という事になります。



同様に、G1グレードのラインを見ていくと矢印が示しているところが、G1グレードのトータルコストの最安値になります。
引渡して28年目頃まで。

ですので、約28年目以降はG2グレードの性能のトータルコストが一番安くなります。



また、H28年基準のトータルコストがわずか12年目頃にG2グレードのトータルコストを超える計算結果となりました。

という事は、H28年基準(長期優良住宅の温熱性能の最低基準)での施工は考えにくいですね。8年目や、12年目で断熱性能を向上させるための改修する事なんて考えられません。
万が一その改修を建築当初から計画するくらいなら、トータルコストの面からも最初からG2グレードにすべきです。



~まとめ~

 このような計算からもわかるように、石牧建築の断熱性能を決める標準的な仕様の基準は、コストパフォーマンスの高いG2グレード(UA値:0.46)としています。
 また、返済期間も含め30年以上でローンを考えてる方は多いし、弊社としても、40年、50年、60年ともっと長く住んでもらう事を想定し家づくりをしています。
 
 しかも、断熱性能を上げておく事は、目に見える金額だけでなく住環境を間違いなく良くします。建物内での温度差は少なくなりますし、基本的な最低室温も上がります。室温にムラが少なくなれば健康的な生活も望めます。

 
 ではそうすると、断熱は何が良い?何を使っていますか?という声が上がりそうですのでこれについては、またの機会にお話します。



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コラム筆者 | 設計 佐原