2022/11/02 大きな木が見守る家 [コラム]天竜二俣駅から車で5分ほど。二俣川にほど近い山の麓に前田さんの家はあります。杉林を背景にブラウンの落ち着いた外観が映えます。にょきっとのびた薪ストーブの煙突、家のコーナーを横貼りにした杉板であしらった多角形コーナーが印象的。 「天竜の森の魅力を伝える仕事をしているから、さすがに外材を使う訳にはいかないし(笑)天竜材を使うことにこだわったほか、間取りなどは妻にお任せしました。もっと時間があれば自分が伐採した木を使って家を建てたかったんですが、残念ですね。もしかしたら、昔に切った木が混ざっているかもと期待はしていますが」そんな前田さんが家づくりのパートナーに選んだのは、春野町に自社工房を持ち、大工職人でもある「石牧建築」の石牧真志さん。設計は石牧さんと親交の深い「しましま設計室」の西久保美和さんが担当しました。 奥様の要望は和室があることと、小さくてもいいので家族それぞれのスペースが欲しいというもの。何度かの打合せを重ねて西久保さんが提案したのは、リビングダイニングスペースに畳を敷いた「茶の間」のある家でした。前の家から使っている大きな座卓を家族5人が囲みます。ご飯を食べてお腹いっぱいになったら、そのままごろんと横になったり、座卓をどかせば遊びに来た友人が泊まる客室になったり、いろんな使い方ができるのが魅力。い草の香りにも癒されます。 「割角」とは、木の芯(年輪の中心)がない材角で、化粧材に使われるほど美しいのが特徴。反対に芯がある木材は「芯持ち材」と呼ばれ、梁や構造などに使われます。そりが少なく丈夫な反面、節や割れが目立ちます。一般的な天竜材は、戦後の拡大造林に植えられた樹齢70年前後のものを使うことが多いそう。しかし前田邸はその倍の樹齢150年、幹も太いので割角でも構造材として使うことができました。また、石牧さんが大工としての高い技術を持っていたのも仕上がりに関係があります。プレカットのように何も考えず材木を加工していくのではなく、一つひとつ材木を吟味してきざみすることで、使う場所に適した材を見極めることができます。実際に割角の梁を見てみると、表と裏で節の数がちがいます。見える面にまで気を使えるのが手刻み加工の魅力のひとつです。 自然の恵みに感謝して 自らつくる楽しさを知る前田さんは千葉県出身。奥さまも神奈川県の出身とのことで、ふたりとも天竜には縁もゆかりもありません。大学卒行後、前田さんは尾瀬の山小屋で住み込みの仕事を始めます。その後、海外を放浪する中で、砂漠などとはちがい、どこでも草木が生える日本の自然のやさしさに気付きます。その後、バイクで日本を巡り、住みかとなる場所を探す旅に出かけます。 浜松にたどり着いたのは、以前林業の研修で滞在したことがあったことと、街と自然との距離が程よかったから。「和歌山の山にも行ったんですが、20代半ばの青年には素朴すぎました。なんか隠居生活見たいで(笑)」さらに、人生の目標とするおじいさんとの出会いも大きかったと言います。「山のお年寄りって本当に元気で、都会の人とは全然ちがう。僕の知っている方も山の斜面をすいすい上っていく。若い頃は『水窪のカモシカ』と呼ばれていたそうです(笑)畑仕事や山のことなど、暮らしの知恵や技術を持っているので、若い人たちから尊敬されています。自分もそんなおじいさんになりたいという憧れがありました」そんなことで天竜に漂着して、もう14年。きこりの仕事のかたわら、天竜の森の魅力を伝える活動を通じ仲間も増え、今ではすっかり天竜の人になりました。「天竜に根をはって、やっと芽が出てきた感じです」と前田さんが笑います。天竜材がふんだんに使われている前田邸。さらに、庭に植えられたクロモジといった植栽や石は山から持ってきたものだったり、庭の土留め板に天竜の材が使われていたり、山の恵みをそこかしこに見つけることができます。さらに、庭の片隅に奥さまお手製の竹の物干し台も。「僕の趣味は、暮らしだから」と笑う前田さん。 お金を払えばたいていのものを買える時代になりました。もちろん、お金で時間を買うという理屈も分かります。前田さんがきこりであることも理由かもしれませんが、捨てられる丸太を切って薪にしたり山の木や石で庭をつくったり、もらった鹿の肉を燻製にしたり、自然の恵みを資源として捉え、ものをつくることは、大げさですが、人生の大いなる楽しみなのではないかと思わずにはいられません。 前田さんが家を建てようと思ったきっかけは、子どもが生まれ、自分に何かあったときに、家くらい残しておきたかったからだといいます。それは、単なる箱としての家ではなく、そこのでの暮らし、生きるためのスキル、豊かな自然への感謝などを含めて「家」と言っているんだと、お話を聞いて気付きました。家は人生であり、学びの場でもあるのかもしれません。前田さんの新しい暮らしは、まだ始まったばかりです。 (撮影/内山文彦氏・文/キーウエストクリエイティブ) |
2022/10/17 挑戦中 [スタッフブログ]こんばんは |
2022/09/18 珍しく [スタッフブログ]こんにちは。 |
2022/08/30 イルボスコフェスタ開催記録 [イベント開催のお知らせ]石牧建築の第2回 周年イベント イルボスコフェスタ2022 今年のテーマは ~マルシェとパエリアとワークショップと…~
イルボスコフェスタ 2022 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 熱い日差しに照らされたり 急な大雨に降られたりと 夏の始まりに 振り回されていた8月の終わり。 日々の暮らしの中では 自然や材料を楽しむ余裕が 中々取れませんね。 そこで、盆明けの週末くらい 自然に身を落ち着ける機会をご提供。 マルシェとパエリアとワークショップと... 石牧建築が春野に構える手刻み加工場 森の工房 il bosco そこに手作りのモノとヒトビトを 集めます。 昼下がりから春野の山に入りモノとヒトに触れ 大鍋で焼かれるパエリアを囲む。 日が暮れた頃からは灯りを囲んで 森の空気を感じられるお祭り空間に。 2022年のイルボスコフェスタには以下の方々にご出店頂きました。 全ての出店者さんが、それぞれの持ち味を活かし 会場を盛り上げて下さいました! また新たなコラボレーションの機会にご期待下さい。 Food&Drink ・全日本パエリア連盟 @paellamania ・エルカミーノ @elcami.tamachi ・鈴木製茶 @suzukiseicha ・ハマキタビリヤニ @hamakita_biriyani @yamaguchi_hiro ・こーば珈琲@ko_ba_coffee ・Base. @base.inc Pop up ・DENIM SELECT @entetsu_denimselect ・あんじ窯 陶 @iguchikansukejun ・前田剛士 @kikori.no.maeda ・石牧建築 @ishimaki_kenchku Stage ・小野田倫子@rinrinodori.happy ※出店者名 @instagramアカウント ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー お施主さん家族は勿論、関係業者の皆様や 石牧建築スタッフの友人も集まり 大いに賑わったイベントとなりました。 次回イベントは来年度の開催を予定しています。 今まではパエリアやマルシェがメインのお祭りのようなイベントとしてきましたが 来年度はその要素も残しつつ 石牧建築のポテンシャルを最大限発揮できるような企画を構想中です。 森林に立ち並ぶ木材から 目と鼻の先に加工場を構える我々ならではの 渾身のワークショップを中心にした 参加体験型イベント。 なんていかがでしょうか。 まだまだ粗削りな企画ですが 石牧建築の新たな柱となるように。 これから一年ほどの間 じっくり準備を進めていこうと思います! ご期待下さいませ! |
2022/08/29 暮らしの愉しみラボ01 日本舞踊ヨガ体験&着物の愉しみ方教室 [イベント開催のお知らせ]まっとうな木の家を作るというコンセプトで日々住まいづくりに取り組んでいると おなじように「本物」を目指すプロフェッショナルに出会います。 そんな出会いをすると、 私たちの木の家で彼(彼女)らの世界とコラボしてみたい! と思うことも多いのです。 そんなことから、弊社施工物件である「坂の下Rハウス」を会場にお借りし 暮らしを少し向上させてくれるイベントを定期的に(ゆるく)企画しようと思います。 *********** まず第1回は、 「和の美しさひと匙」 と銘打って日本舞踊ヨガ体験と着物を愉しむ座談会を行います。 ↓案内チラシから抜粋 【開催日】2022年9月21日(水)
【時間帯】
①10:00~ ②13:30~ (各時間3組様限定) ※ご予約は9月18日(日)までにお願いします。 予約が埋まり次第お申し込みを締め切らせていただきます。 ↓ご予約空き状況はこちら↓
◎ ・・・ご予約可能です
× ・・・ご予約できません
【参加費】
¥1,500(お茶とお菓子付き)/人 【会場】浜松市中区 ※詳細についてはご予約が完了したのち、ご案内申し上げます。 【ご予約方法】
ご予約フォームの質問欄へ ご希望の時間帯をご記入し お申し込みください。 なお、ご予約は先着順とさせていただきます。 お早めにお申し込みくださいませ。 * * * 新型コロナウイルス感染予防対策 * * *感染症拡大防止のため、会場において以下の対応を実施いたします。
□スタッフのマスクの着用
□スタッフの手指消毒・手袋の着用 □会場の換気 □スタッフの当日の検温、体調確認 □お客様との一定距離の確保 また、ご来場のお客様には以下の対策実施にご協力をお願い申し上げます。
*見学会への事前予約
*マスクの着用 *体温が37.5℃以上のお客様は見学をご遠慮下さい。 *手袋の着用 皆様のご来場をスタッフ一同楽しみにお待ちしております! |
2022/07/30 名栗を通した出会い [スタッフブログ]
暑さのレベルが増してきて
今月の休日は2週続いて
同業者の方から設計士・デザイナー、材木屋さんなど様々な方々と出逢わせていただき、名栗を体験してもらいました。
恥ずかしながら名刺交換などの場面が
仕事の幅が広がると
レベルの高い方々との出会いで
自分も最近名栗を始めたのですが
一発でも深く入りすぎたりしてしまうと 想像以上にやってみてわかる難しさに出会いました。
そう考えると、木を見分けて
入れる瞬間一発一発が造作仕事だと思っていると
自分もいずれは仕事をもらえるように…
Kimizawa
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2022/07/11 夏本番 [スタッフブログ]おはようございます☀️ |
2022/07/01 短い梅雨と猛暑今年も半年が過ぎ、今日からまた半年のスタートとなります。月日が経つのが年々早くなっているように感じます。2年前のお盆に浜松で40℃越えを観測しましたが、今年は6月時点で39℃を記録しお盆頃はどうなっているかとても心配です。先日と今日、以前施工させてもらったお客様のメンテナンスに行ってきました。 |
2022/06/14 巷で流行りの [スタッフブログ]こんにちわ。 |
2022/05/31 大黒柱で思い出す幼稚園時代 [スタッフブログ]こんにちは君澤です
ゴールデンウィーク明けから
刻む側としてはその分日にちに余裕がうまれた為
八角形の大きな大黒柱を 320,400,600,800…1000…1500…2000 やればやるほど
ふと、幼稚園時代の泥団子を思い出しました。
仕上がる前でさえかっこよかった大黒柱が
建前・上棟式も無事終わり お施主さんもそうだと思いますが
最近気温が暑くなってきて 1年の半分が終わりに近づいているいるなんて…
これからみなさんも
Kimizawa |
2025/02/04 3/1(土)3/2(日)新築完成見学会 |
2025/01/05 天竜材の魅力について!日本三大人工美林が生み出す奇跡の素材 |
2024/12/27 暮らしの見学会 開催案内 Vol.1 浜松市天竜区エリア①(終了) |
2024/11/14 11/23(土)11/24(日)新築完成見学会(終了済) |
2024/10/03 10/26(土)10/27(日)新築完成見学会(終了済) |